PICによるLEDのコントロール
 LEDは順方向電圧以下では発光しません。 電球のように電源電圧を変えて明るさを制御することは不可能です。 (明るさは変化しますが電圧が低くなると発光が停止します。) また最大順方向電流以上の電流が流れると破損あるいは発光能率が極端に低下します。
 点灯は基本的に電源のON/OFF だけで行う方が安全で、破損を避けるために電流制限抵抗は最初に決めておく必要があります。 
自動車の電源のように電源電圧が一定でない場合は、変動によって順方向電流が大きくなり過ぎる場合がありますから、このような電源の場合はCRD(定電流ダイオード)を用いた方が賢明です。 しかし、CRDは高価なので通常の看板などでは定電圧電源を用いて回路に固定抵抗を挿入します。(余裕を持って大きめの抵抗値を使います)

 LEDの数が少ない場合は PIC のポートで直接ドライブすることも可能ですが、商業看板など 数の多い LEDを PICによってコントロールするには、スイッチング用のトランジスタ あるいはFETをPICによってON/OFFするようにして行います。 単に ON/OFF ですから通常のトランジスタを用いるよりも 電流容量の大きさとONしたときの抵抗値の低さから FETを用いるのが一般的です。
 通常 LEDは数個を並べて順次に切り替えて流れているように点灯させたり 文字の形に並べたLEDを順番に点滅させるのが一般的で、コントロールするチャンネルを増やして対処します。 使用する PICも用途に応じてチャンネルが確保できるポート数のものが必要となります。設置の時に配線が複雑になる関係から 10チャンネル程度までにして配列を繰り返すのが通常取られる方法です。
 チャンネルの配列を繰り返して並べる場合は、チャンネル数に応じたポートを順序よく点灯させるために各チャンネルのコントロールの整合性が必要です。
LEDの基礎知識 LED電流制限抵抗計算機
LEDの調光(グラデーション点灯)
LEDに流す電流を変えて 明るさを比べてみると このような結果になりました。 使った LEDは最大電流が 30mA の超高輝度の白色 LEDを使いました。 通常使用では LEDの発熱による劣化を考えて、定格よりも低めの電流を使いますので 最高に明るくさせても 20mA 程度で使うことになります。 (定格電流まで電流を増やしても光量に それほどの変化がないばかりか発熱により破損する可能性が大きくなるため)
電流により調光をかけて明るさを変化させる場合は 20mA〜 1mA の変化をさせれば良いことになります。
しかし、定電流回路をデジタルで変化させ 電流を変化させるのは回路が複雑になり、電源電圧による電流変化があったり 点灯する個数を簡単に変更できないなどの難点があります。
 LEDを調光して 明るさを変化させたい場合、電球のように 電圧を変化させても 調光することはできません。 順方向電圧以下になると発光は停止してしまい、ほのかな明るさの部分が表現できません。
 LEDの調光は PWM (Pulse Width Modulation) 方式を用いて 光が“またたかない” 程度の早さでONしている時間を変化させ、光っている時間を増減して明るさを変化させるのが一般的です。 人間の目で見た時は残像によって明るさが変化しているように見えます。 この変化は目の視感度と LEDの発光特性により、単にパルス幅を直線的に変化させるだけは不自然で、実際に調光して波形を変化させパルスの変化曲線を決める必要があります。(細いパルスでも結構明るく感じます)
 また出力にFETを用いる場合にはパワーFETは高周波に弱い性質から、あまり高い周波数でスイッチングすると 明るさが必要なときも十分な明るさが得られなくなるので注意が必要です。
スイッチと調光の違い
 調光したチャンネルを増やして順序よく並べれば 滑らかな光の流れが表現できます。 2チャンネルでは交互の明滅だけで流れているように見えませんから、通常は3チャンネル以上のコントローラーを用いて光の方向付けを行います。
3チャンネルをグラデーション点灯を2段並べた場合の動画です。
 左の動画は LED8チャンネルを2段並べたディスプレーです。
スイッチ点灯→グラデーション(調光)を反復点灯しています。
動画のフレームの関係で速いまたたきは表現できませんが、高速で点滅の場合は出力トランジスタの特性もあって、グラデーションは効果がないようです。 ゆっくりと流れるグラデーション点灯の場合は明暗の差がきれいに表現されます。
LEDの高度なコントロール
高度な調光へ  高度というほどでもありませんが、少ないポート数で多チャンネルを制御したり、前述のグラデーションを応用して発光色を少しずつ変えられるカラー調光ができます。 
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